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顧問弁護士が労務問題(残業代請求、不当解雇等)を中心にテーマ別にメモするブログです。交通事故や刑事事件、借金返済問題なども扱います。
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顧問弁護士(法律顧問)が扱うテーマ:割増賃金の計算方法
顧問弁護士(法律顧問)が日々接するテーマをまとめています。

今回は、割増賃金の計算方法を考えます。



①時間外労働
②休日労働
③深夜労働(午後10時-午前5時の労働)



これらに対しては、割増賃金を支払わなければなりません(労基法37条)。



1.①時間外労働



1ヶ月45時間(1ヶ月の限度時間)までは2.5割増以上の賃金
1ヶ月45時間超-60時間までは、2.5割増より引き上げる努力義務
2010年4月以降は、中小企業を除き、1ヶ月60時間を超えた場合は5割増以上の賃金



時間外労働とは、1日8時間の法定労働時間を超えた時間です。たとえ就業規則で1日7時間の所定労働時間(=休憩時間を除いた始業から終業までの時間)となっていても、です。



2.②休日労働



3.5割増となります。



なお、割増賃金を必要とする休日労働は、法定休日(1週1日または4週4日)の労働についてのみをいいます。つまり、週休二日制をとる場合は、法定休日のほかに、法定外休日を設けていることになります。



たとえば、休日を土日にしている場合において、土曜日に労働させたとしても、日曜の休みが確保されていれば休日労働とはなりません。就業規則においては、法定休日の対象となる休日が明確になっているほうが望ましいです(「日曜日を法定休日とする」など)。



3.③深夜労働(午後10時-午前5時の労働)



2.5割増となります。



深夜に所定労働時間が設定されている場合(=時間外・休日労働に該当しない場合)であっても、深夜労働に対しては深夜割増賃金を支払う必要があります。



もうひとつのポイントとしては、管理監督者は、時間外労働と休日労働は割増賃金の適用はありませんが、深夜労働の割増賃金は適用されるから要注意です。



4.①②③の混合型



①時間外労働(2.5割増)+②休日労働(3.5割増)=3.5割増
①時間外労働(2.5割増)+③深夜労働(2.5割増)=5割増(2010年4月以降、月60時間超は7.5割増以上)
②休日労働(3.5割増)+③深夜労働(2.5割増)=6割増



考え方としては、深夜労働は、法定労働時間規制とは関係なく労働時間帯に着目したものなので、深夜労働と重複する場合は、足し算になります。


他方、時間外労働+休日労働は、いずれも同じ法定労働時間規制の枠にかかわるものであるから、加算しないのです。



結構ややこしいですが、疑問があれば、御社の顧問弁護士にお尋ねください。



また、未払い、不払いの残業代がある労働者の方、サービス残業させられている方がいらっしゃれば、身近な弁護士にご相談ください。




このブログにおいては、専門家ではない方にも役立ちそうな法律知識を条文知識や裁判例を中心に紹介しています。記事のテーマは特に限定していませんが、筆者が企業の顧問弁護士をしているため、主に企業向けのテーマを扱います。ただ、個人の方に関連する法律知識についても、最近受ける相談が増加しているもの、具体的には交通事故(示談や慰謝料)、不当解雇、借金の返済の相談、支払いのない残業代の請求知人や親類が刑事事件で逮捕されたという刑事弁護なども扱う予定です。なお、記事を投稿したときには新情報であっても、法律改正や新判例の登場により、現在においては古い情報になっている場合がありますし、それなりに気をつけていますが、誤記など不完全な内容があるかもしれませんので、実際に法的な問題に直面した会社の方は、その都度顧問弁護士にご相談ください。顧問弁護士がいない企業の方で、顧問弁護士を探す場合には、それぞれ事務所によって費用などは区々ですから、よく比較検討することをお勧めします。また、個人の方で、借金の返済、未払い残業代の請求、不当解雇の相談、交通事故(示談や慰謝料)、刑事弁護事件などの問題でお悩みの方は、弁護士にご相談ください。
 
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